- 用途ごとに必要な回線速度の目安を知りたい
- 回線タイプごとの回線速度の目安を比較したい
- インターネットで回線速度が遅いときの対処方法を知りたい
こんな悩みを解決できる記事になっています!
実際に私も過去、インターネット接続に不満を持っていた時期もありましたが、今では私にとって最適な回線を選ぶことで快適に使用できています。
この記事を読み終えることで、ご自身が必要としている回線速度の目安が分かるようになります。
その結果、自分にとって最適なインターネット接続の環境を整理できるでしょう。
用途ごとの回線速度の目安
インターネットを使う場合に必要となる回線速度の目安を紹介します。
インターネットの使い方は人それぞれ異なっているため、必要となる回線速度も人によって違っています。
必要な回線速度の目安が分かることで自分にとって最適な回線速度を把握することができます。
私も実際テレワークの際のweb会議やメール、SNSツールの利用で、どれくらいの回線速度が必要でそれが今の自宅のインターネット環境で問題ないかの判断をすることができました。
よって、ここではインターネットを使う場合の用途ごとに必要となる回線速度の目安を紹介します。
以下の表に用途ごとに必要となる回線速度をまとめています。
用途 | アップロード速度 | ダウンロード速度 | レイテンシー |
---|---|---|---|
メール、LINE | 1Mbps | 128Kbps~1Mbps | – |
Webサイト閲覧 | – | 1Mbps~10Mbps | – |
SNSの閲覧、投稿 | 3Mbps~10Mbps | 1Mbps~10Mbps | – |
動画鑑賞(YouTubeなど) | – | 3Mbps~25Mbps | – |
Web会議(Zoomなど) | 10Mbps~15Mbps | 10Mbps~15Mbps | – |
オンラインゲーム | 30Mbps | 30Mbps〜100Mbps | 30ms以下 |
回線速度の指標
まず前提として回線速度の確認や評価をするのに必要な指標を説明します。
なぜ回線速度の指標となる事項について説明するのかと言うと、これらの指標が分かった方が回線速度に関する理解が早くなるからです。
回線速度の単位
Mbps(メガビーピーエスと読みます)が、回線速度を表すのによく使う単位になります。
回線速度の例
- 1Mbpsは、1秒間に1Mbit(メガビット)のサイズのデータを通信できる速度です
- 20Mbpsは、1秒間に20Mbit(メガビット)のサイズのデータを通信できる速度です
つまり、数値が大きければ大きいほど回線速度は速いことになります。
単位はMbps以外にも光回線のような通信速度が速い回線の場合はGbps(ギガビーピーエスと読みます)が用いられ、Mbpsの1000倍のデータを扱う場合にGbpsとなります。
例えば、1Gbpsは1000Mbpsと同じです。
通信速度が遅い回線の場合はKbps(キロビーピーエスと読みます)が用いられ、Mbpsの1/1000のデータを扱う場合にKbpsとなります。
例えば、1Mbpsは1000Kbpsと同じです。
まとめると以下の表のとおりです。
bps(ビーピーエス) | 1秒間に通信可能なデータ量(単位はbit) | ー |
Kbps(キロビーピーエス) | 1秒間に通信可能なデータ量(単位はKbit) | bpsの1000倍のデータ量 |
Mbps(メガビーピーエス) | 1秒間に通信可能なデータ量(単位はMbit) | Kbpsの1000倍のデータ量 |
Gbps(ギガビーピーエス) | 1秒間に通信可能なデータ量(単位はGbit) | Mbpsの1000倍のデータ量 |
上り(アップロード)、下り(ダウンロード)
端末(スマホやPCなど)からインターネット側にデータを送信する場合を『上り(アップロード)』と言います。
これらの回線速度は、『上り速度』や『アップロード速度』と表現されます。
一方、インターネット側から端末(スマホやPCなど)にデーターを送信する場合を『下り(ダウンロード)』と言います。
これらの回線速度は、『下り速度』や『ダウンロード速度』と表現されます。
ping値(レイテンシー)、ジッタ値
ping値(レイテンシー)は、レスポンス時間を表す指標で、値が小さいほど回線速度が速いことになります。
具体的には、測定側の機器がデータを送信してから応答が返ってくるまでの時間(ミリ秒)のことです。
例えば、ping値が1000でしたら送信から応答まで1000ミリ秒(つまり1秒)かかったことを示しています。
ジッタ値は、通信の揺らぎを示す指標で、値が小さいほど回線速度が安定していることになります。
具体的には、ping値の揺らぎを示しておりping値は毎回同じ値にはならず多少のブレが生じますが、そのブレ幅をジッタ値と言います。
例えば、ping値が50でジッタ値が10だとするとping値は実際は50(±10)で40~60の範囲内になっていることを意味しています。
メールやSNSのメッセージ
メールやLINEといったテキストメッセージの送信や受信に必要な回線速度は、上り1Mbps、下り128Kbps~1Mbpsが目安です。
これくらいの回線速度があれば快適にメールやLINEのメッセージのやり取りが可能です。
Webサイトの閲覧
Webサイトの閲覧に必要な回線速度は、下り1Mbps~10Mbpsが目安です。Webサイトの閲覧では上りの回線速度の考慮は不要で問題ありません。
これくらいの回線速度があれば快適にネット検索などのWebサイトの閲覧が可能です。
SNSの閲覧、投稿
SNSへの写真投稿に必要な回線速度は、上り3Mbpsが目安です。
SNSやYouTubeなどへの動画投稿に必要な回線速度は上り10Mbpsが目安です。
SNSの閲覧に必要な回線速度は、下り1Mbps~10Mbpsが目安です。
写真や動画のファイルサイズにも依存しますが、概ねこれくらいの回線速度があれば快適にSNSへの写真や動画の投稿、SNSの閲覧が可能です。
動画視聴(YouTubeなど)
YouTubeなどの動画視聴に必要な回線速度は、下り3Mbps~25Mbpsが目安です。
なお、解像度に応じた推奨の回線速度がYouTubeから以下のように公表されています。
引用元:YouTube のシステム要件 https://support.google.com/youtube/answer/78358?hl=ja
動画の解像度 推奨される持続的な速度 4K UHD 20 Mbps HD 1080p 5 Mbps HD 720p 2.5 Mbps SD 480p 1.1 Mbps SD 360p 0.7 Mbps
Zoomなどのオンライン会議
zoomなどのオンライン会議に必要な回線速度は、上り10Mbps~15Mbps、下り10Mbps~15Mbpsが目安です。
これくらいの回線速度があれば快適にオンライン会議が可能です。
オンラインゲーム
オンラインゲームに必要な回線速度は、下り30Mbps~100Mbpsが目安です。
オンラインゲームのライブ配信なども実施する場合に必要な回線速度は、上り30Mbps、下り30Mbps~100Mbpsが目安です。
またオンラインゲームの場合はping値も重要となり、ping値は30ms以下が目安です。
これくらいの回線速度があれば快適にオンラインゲームが可能です。
回線タイプごとの回線速度
インターネットにアクセスするための手段である代表的な5つの回線タイプを紹介し、それらの回線速度の目安を提示します。
環境にも依存しますが、各回線タイプごとの目安となる回線速度を把握することで、もしギャップがあれば回線タイプを見直すきっかけになるでしょう。
光回線
光回線は、自宅で高速な通信を安定して実施したい方に適しています。
回線速度としては「下り 365.4Mbps」、「ping値 27.2ms」となっており、オンライン会議やオンラインゲームなどの比較的要件が高い用途でも同時に処理できるほどの実力があります。
回線 | Ping値 | 下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) |
---|---|---|---|
光回線 | 27.2 [ms] | 365.4 [Mbps] | 351.6 [Mbps] |
CATV
ケーブルテレビ(CATV)の回線は、光回線よりは見劣りしますが、自宅である程度安定した通信が可能となっています。
回線速度としては、「下り 230.6Mbps」となっており、オンライン会議や動画視聴などの用途でも同時に処理できるほどの実力があります。
ただ、オンラインゲームなどはping値が若干高くストレスを感じるかもしれません。
回線 | Ping値 | 下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) |
---|---|---|---|
ケーブルテレビ回線 | 41.9 [ms] | 230.6 [Mbps] | 46.8 [Mbps] |
モバイルWi-Fi
モバイルWiFiは、自宅だけではなく外出先にも持ち運んで利用することが可能です。
回線速度としては、「下り 55.7Mbps」となっており、動画視聴程度なら処理できる実力があります。
回線 | Ping値 | 下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) |
---|---|---|---|
モバイルルーター | 86.0 [ms] | 55.7 [Mbps] | 13.9 [Mbps] |
ホームルータ
ホームルータは、自宅での回線工事が必要なく、お手軽に自宅で無線での通信が可能です。
回線速度としては、「下り 136.9Mbps」となっており、オンライン会議や動画視聴なども処理できる実力があります。
回線 | Ping値 | 下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) |
---|---|---|---|
ホームルーター | 81.4 [ms] | 136.9 [Mbps] | 18.6 [Mbps] |
スマホ(4G)
スマホでの4G回線を利用した通信は、自宅だけでなく、主に外出先で利用します。
回線速度としては、「下り 91.1Mbps」となっており、オンライン会議や動画視聴なども処理できる実力があります。
回線 | Ping値 | 下り(ダウンロード) | 上り(アップロード) |
---|---|---|---|
携帯キャリア | 58.4 [ms] | 91.1 [Mbps] | 18.7 [Mbps] |
回線速度テストのやり方
実際に今使用している回線速度を無料で計測するやり方を紹介します。
今契約している回線の実力値を知ることで、回線見直しのきっかけになるかもしれません。
なお、計測は計測以外の通信は一旦止めたうえで計測するようにしましょう。
大量の通信を計測以外の用途で使用していると正しい計測ができなくなるからです。
また計測結果は曜日や時間帯によっても変わってきますので、曜日や時間帯を変えて何度か測定してその傾向を見たほうがよいです。
Googleのページで「スピードテスト」と検索すると、「インターネット速度テスト」が上部に表示され「速度テストを実行」をクリックすることで、回線速度の計測が可能です。
測定可能な項目は、下り(ダウンロード)速度、上り(アップロード)速度、レイテンシー(ping値)になります。
fast.com
fast.comにアクセスすることで、すぐに回線速度の計測が開始されます。
測定可能な項目は、下り(ダウンロード)速度、上り(アップロード)速度、レイテンシー(ping値)になります。
なお、レイテンシはアンローズ済みとロード済みの2種類が計測でき、意味は以下の通りです。
アンロード済みレイテンシとは、ネットワークに他のトラフィックが存在しない際に、要求が出されてから応答が帰ってくるまでのデータの往復時間です。それに対してロード済レイテンシは、ネットワーク上でデータ使用量の多いアプリケーションを使用中の場合における、データの往復時間を意味します。
引用元:https://about.netflix.com/ja/news/fast-com-now-measures-latency-and-upload-speed
speedtest
speedtestではサイトにアクセスして、「GO」をクリックすることで回線速度の計測ができます。
測定可能な項目は、下り(ダウンロード)速度、上り(アップロード)速度、レイテンシー(ping値)になります。
また、「RESULTS」をクリックすると過去の計測履歴も確認できます。
ブロードバンドスピードテスト
ブロードバンドスピードテストでは、サイトにアクセスして、「スピードテストを開始する」をクリックすることで回線速度の計測ができます。
測定可能な項目は、下り(ダウンロード)速度、上り(アップロード)速度、ピン(ping値)になります。
みんなのネット回線速度
みんなのネット回線速度では、サイトにアクセスして、「通信速度を測定する」をクリックします。
そこで回線タイプや契約回線名などを入力して、「通信速度測定をして、入力内容を投稿する」をクリックすることで回線速度の測定ができます。
測定可能な項目は、下り(ダウンロード)速度、上り(アップロード)速度、ping値(レイテンシ)、jitter値になり、IPv4とIPv6の両方を測定できます。
また、同じ地域や同じ契約回線の他の方との回線速度を参考までに比較することができます。
回線速度が遅いときの原因と対処方法
調べた回線速度が想定以上に遅い場合の原因と対処方法について4つ紹介します。
すぐに改善できる可能性もありますので、もし現状の回線環境に不満があるなら一度試してみるのがよいでしょう。
端末(スマホ、パソコン)
1つ目の原因は、端末(スマホやPCなど)が異常な状態になっている可能性があります。
対策としては、端末(スマホやPCなど)を再起動してみましょう。
もしかすると改善するかもしれません。
端末のバックグランドで別の処理が動いている可能性があり処理が重たくなっているかもしれないからです。
よって、回線速度が想定以上に遅い場合は、試しに今操作しているスマホやPCといった端末の再起動を一度実施してみましょう。
Wi-Fiルーター、ONU
2つ目の原因は、自宅にあるWi-FiルーターやONUといった通信機器が異常な状態になっている可能性があります。
対策としては、Wi-FiルーターやONUを再起動してみましょう。
もしかすると改善するかもしれません。
Wi-FiルーターやONUの再起動の仕方が分からなければ、コンセントを抜いてから再度さしなおすというやり方でも最悪OKです。
ちなみにONUは光回線の終端装置のことで、自宅の光回線がつながっている機器で、NTTなどからレンタルしている機器のことです。
よって、回線速度が想定以上に遅い場合は、試しに自宅のWi-FiルーターやONUを再起動することで回線速度が改善するかもしれません。
無線規格
3つ目の原因は、自宅のWi-Fiルーターと端末で使用している無線の規格が古く通信速度が遅くなっている可能性があります。
対策としては、使用する無線の規格を変更して高速通信可能な無線規格にしましょう。
現状、有線ではなく、無線で接続しているならまずは一度設定を確認してみるのがよいでしょう。
例えば、スマホなら接続済みのWi-Fiのネットワークの詳細を確認すると以下のような無線規格の情報が表示されると思います。
一般名称 | 無線規格名 | 最大通信速度 | 周波数 |
---|---|---|---|
Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be | 36Gbps | 2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯 |
Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
- | IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
- | IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 |
- | IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 |
- | IEEE 802.11 | 2Mbps | 2.4GHz帯 |
端末(スマホやPCなど)で確認できる接続済みの無線規格が、IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)、IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)、IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)、IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)であれば問題ありません。
もしそれ以外の無線規格が設定されているようなら接続する無線規格を変更しましょう。
今使用しているWi-Fiルーターが対応していないようなら、Wi-Fiルーターを買い替えることも視野に入れたほうがよいでしょう。
まとめると、Wi-Fiルーターと端末の接続している無線規格を見直すことで回線速度が改善する可能性があります。
プロバイダ(IPv6対応(IPoE))
4つ目の原因は、IPv4(PPPoE)接続をしていて通信速度が安定していない可能性があります。
対策としては、IPv6(IPoE)接続に変更しましょう。
IPv4(PPPoE)接続ですと、通信が混雑する時間帯に影響を受けやすく、回線速度が遅くなる傾向にあるからです。
契約しているプロバイダでIPv6(IPoE)対応をしているようでしたら、IPv6(IPoE)接続に変更することで、通信が混雑する時間帯でも影響を受けることは少なく、回線速度が遅くなるようなことはありません。
よって、回線速度が想定以上に遅い場合、IPv6(IPoE)接続に変更することで回線速度が改善するかもしれません。
まとめ
本記事では、
- 用途ごとに必要な回線速度の目安
- 回線タイプごとの回線速度
- 実際の回線速度の計測方法
- 回線速度が遅い場合の対処方法
について、紹介しました。
インターネット接続時に少しでも快適に使用できる手助けになれれば幸いです。