『格安SIM(カクヤスシム)』という言葉は聞いたことあるけど、具体的に説明できないという方は多いのではないでしょうか?
本記事では、格安SIMについて初心者でも分かるように解説します。
そして、格安SIMのメリットやデメリットなどについて簡潔にまとめています。
特に今まで大手キャリアのモバイルサービス(電話、SMS、データ通信)しか使ってこなかった方は、この機会に格安SIMの理解を深めていただき、もし興味をお持ちになったのなら是非格安SIMデビューをしていただけたら幸いです。
格安SIMとは?
格安SIMとは、モバイルサービス(電話、SMS、データ通信)を格安で提供してくれるサービスです。
そして、格安SIMのサービスを利用可能にするために、格安SIM事業者がSIMカードをユーザに提供しています。
モバイルサービスとは?
モバイルサービスとは、『電話』、『SMS』、『データ通信』のサービスのことを指しています。
いわゆる大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が提供しているスマホ(携帯電話)のサービスのことです。
格安SIMには、モバイルサービスの一部サービスだけを提供するプランもあり、代表的なものは『データ通信』のみ提供するプランです。
SIMって何?
そもそもSIMとは何でしょうか?
SIMとは、Subscriber Identity Module(加入者識別モジュール)の略称で、スマホでモバイルサービス(電話、SMS、データ通信)を利用するのに必須となるICカードです。
SIMは大手キャリアや格安SIM事業者から発行され、SIMを受け取ったユーザーはSIMをスマホに挿すことでモバイルサービスが利用できるようになります。
SIMには、契約者の情報(加入者識別番号、電話番号、ネットワーク認証鍵など)が記録されています。
大手キャリアや格安SIM事業者は、SIM情報を元にユーザーの契約情報と紐づけて、料金請求をします。
SIMのサイズ
SIMには、サイズや形状が異なる以下の3種類のものがあります。
- 標準SIM
- microSIM
- nanoSIM
サイズは、標準SIM > microSIM > nanoSIM の順となっています。
SIM変換アダプタを使うことで小さなSIMを大きなSIMのサイズでスマホに挿すことが可能なため、将来のことも考慮すると一番小さいnanoSIMを選ぶのが良いです。
ちなみに、SIMのサイズは国際規格の「ISO/IEC 7810」で決められたものです。
eSIMについて
SIMには一般的な物理SIM以外に、eSIMがあります。
eSIMとは、Embedded SIMの略で、スマホに内蔵された本体一体型のSIMのことです。
eSIMは、契約者情報の書き換えがオンラインで実施でき、端末からSIMを取り出すことなく通信キャリアの変更が可能です。
格安SIMって何?
格安SIMとは、モバイルサービス(電話、SMS、データ通信)が利用できるSIMを格安で提供するサービスのことです。
格安SIMは、通信データ量に応じたプランが用意されていて、ユーザーは毎月基本料金を支払うことでモバイルサービスを利用できます。
格安SIMの月額料金の相場としては、数百円~4千円程度で、大手キャリアと比較すると非常に安い料金になっています。
なぜ安いのか?
格安SIMはなぜ安いのでしょうか?
格安SIM事業者は、モバイルサービスを提供するのに必要な通信設備を自社ですべて持っているわけではないからです。
通信設備の一部のみを保有していて、通信設備の一部(基地局など)を大手キャリアから借用することで、ユーザーに毎月安い料金でのサービス提供が可能となっています。
自社の通信設備が少ないということは、大手キャリアへの借用費の支払いはあるものの、自社設備の初期投資費の回収や通信設備のメンテナンス費用も少なく済むため、格安料金でのサービス提供ができているのです。
格安スマホとの違いは?
格安SIMと並んで、格安スマホという言葉もよく耳にしませんでしょうか?
何が違うのか疑問に思う人もいるかもしれません。
結論としては、格安スマホに明確な定義があるわけではないため、人によって使い方が違っています。
格安スマホの具体的な使い方としては、
- 格安SIMと同じ意味で、格安SIMサービスの意味で使う場合(対象はSIMのみ)
- 格安SIMサービスとスマホのセットの意味で使う場合(対象はSIMとスマホ)
- 格安なスマホ単体の意味で使う場合(対象はスマホのみ)
があります。
個人的には、2の意味で使うことが多いです!
格安SIMのメリット
格安SIMのメリットを紹介します。
大きなメリットとしては以下の2点です。
月額基本料金が安い
格安SIMの大きなメリットの1つ目は、月額基本料金が安いことです。
大手キャリア、大手キャリアのサブブランド、格安SIMの月額基本料金を比較してみます。
月額基本料金 | |
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク) | 1万円弱程度 |
サブブランド(ahamo、UQモバイル、ワイモバイルなど) | 4千円程度 |
格安SIM | 数百円~4千円程度 |
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の月額基本料金の相場と比較すると大きく差が出ており、月額基本料金の安さは格安SIMの大きなメリットとなります。
契約がシンプル
格安SIMの大きなメリットの2つ目は、契約がシンプルであることです。
格安SIMの料金プランは、使用するデータ量毎の料金プランになっており、シンプルで分かりやすいです。
オプションへの加入も不要であれば入らなくてもOKです。
途中で解約する場合も違約金などの制約はほぼありません。
一方、大手キャリアの料金プランは、スマホ代金の分割払いや様々な割引きがあり複雑です。
特に割引きの条件などで途中解約で違約金が発生するなど気にするべきことが多いです。
よって、格安SIMの契約がシンプルなのはメリットと言えるでしょう。
格安SIMのデメリット(注意点)
格安SIMのデメリット(注意点)を紹介します。
デメリット(注意点)は以下の3点です。
通信速度が遅くなる場合がある
格安SIMのデメリットの1つ目は、通信速度が遅くなる場合があるという点です。
特に通信が混雑している時間帯に通信速度が遅くなります。
具体的には平日の昼、夕方などに著しく通信速度が遅くなるケースが多いです。
格安SIMでは、「通信速度が遅くなる場合がある」ということを念頭に置いて利用することが重要です。そうすることで仮に通信速度が遅くなってもストレスになることも少なくなります。
スマホは自分で準備が必要
格安SIMのデメリットの2つ目は、スマホは自分で準備する必要があるという点です。
大手キャリアだと必ずスマホとセットで契約するケースが多いですが、格安SIMでは基本的にはSIMのみの提供のため、スマホは自分で準備する必要があります。
ただ、格安SIMでもSIMとセットでスマホを安く購入できるところもあり、もし今スマホがないようでしたらそれらを利用するのが良いでしょう。
キャリアメールが使えない
格安SIMのデメリットの3つ目は、キャリアメールが使えないという点です。
キャリアメールとは、メールアドレスのドメインが「docomo.ne.jp」「au.com」「softbank.ne.jp」となっているものです。
キャリアに依存しないフリーメールを使うようにすることでデメリットではなくなります。
フリーメールとは、gmailやyahooメールなどのことです!
格安SIMを導入する上で必要なこと
格安SIMを導入する上で必要なことは、スマホを準備することです。
今スマホがなければSIMフリーのスマホを購入しましょう。
今使用しているものがあるならそれがそのまま利用できるかを確認する必要があります。
確認するポイントは以下の3つです。
SIMロック解除の確認
スマホの確認ポイントの1つ目は、SIMロック解除がされているかの確認です。
SIMフリーのスマホなら問題ありませんが、大手キャリアで使用していたスマホの場合SIMロック解除されているかの確認が必要です。
もしSIMロック解除が必要なら、スマホを購入したキャリアでSIMロック解除の手続きをしましょう。
SIMロックとは?
SIMロックとは、購入したキャリアの回線以外で使用できないようになっている制限のことです。どこのキャリアの回線でも使用できるようにするためには、購入したキャリアでSIMロック解除する必要があります。
対応機種(推奨機種)の確認
スマホの確認ポイントの2つ目は、契約予定の格安SIMでの対応機種(推奨機種)を確認することです。
格安SIMのホームページなどで対応機種(推奨機種)一覧が掲載されていますので、使用予定のスマホの機種が対応機種(推奨機種)となっているか確認しましょう。
もし対応機種(推奨機種)に載っていればそのスマホはそのまま利用することができます。
周波数帯(バンド)の確認
本来、スマホが利用できる電波の周波数帯が利用できるかを確認する必要があります。格安SIMで利用できる周波数帯が、スマホと一致していないと利用できないからです。しかし、契約予定の格安SIMの対応している機種一覧にあるなら周波数帯の確認は不要でOKです。
対応SIM種別の確認
スマホの確認ポイントの3つ目は、対応SIM種別の確認です。
物理SIMの大きさ(標準SIM、microSIM、nanoSIM)やeSIM対応有無を確認します。
格安SIMに申し込むときにどのSIMを使用するかをあらかじめ決めておくと手続きがスムーズです。
物理SIMの場合は、将来的に小さなSIMしか対応できないスマホに機種変更するかもしれないので、nanoSIMを選んでおくと良いでしょう。
格安SIMへの乗り換え手順
格安SIMを導入する場合の手順を紹介します。
以下の流れで格安SIMを導入することができます。
格安SIM導入の流れ
- スマホ準備
前節で紹介したように、格安SIMで使用するスマホを準備します。準備するスマホは、『SIMロック解除』、『対応機種確認』、『対応SIM種別確認』を事前に実施しておきましょう。
- MNP予約番号を取得 ※MNPワンストップ対象事業者でない乗り換えの場合のみ必要
今契約しているキャリアから乗り換える(MNP)場合に取得します。これによって電話番号を引き継ぐことができます。
- 導入する格安SIMのWebページから申請
Webページから申請します。
基本的に格安SIMの場合、店舗はないためWebページからの申請になります。
- SIMが届く
物理SIMの場合、自宅にSIMが届きます。eSIMの場合はメール等で連絡があります。
- SIMが届く
届いたSIMをスマホに入れて、APN設定することで、開通になります。
格安SIMの選び方
どのように格安SIMを選べばよいのでしょうか?
それは、
- 毎月使用するデータ量
- SIMの種類(電話、SMS、データ通信のどれが必要か?)
を整理して最適な格安SIMを選ぶのが良いです。
なお、格安SIMは通信速度が遅くなる場合があり、その制約が耐えられるかがポイントの1つになります。
SIMを2枚使えるデュアル端末のスマホをお持ちであれば、データSIMをお試しで利用してみるのも1つの手です。
通信速度が遅いのはどうしても嫌という方は大手キャリアのサブブランド(ゲオモバイル(UQモバイル)など)が良いでしょう。
自分に合った料金プランのある格安SIMを探してみましょう。
おすすめの格安SIM
IIJmio(アイアイジェイミオ)
IIJmioは、様々なデータ量に応じた料金プランが用意されており、月額基本料金も非常にお手頃です。
平日の昼に通信速度はが遅くなるので、そこが許容できるならおすすめの格安SIMになります。
データ量 | 音声SIM | 音声eSIM | データSIM | データeSIM | SMS SIM |
2ギガ | 850円(税込) | 850円(税込) | 740円(税込) | 440円(税込) | 820円(税込) |
5ギガ | 990円(税込) | 990円(税込) | 900円(税込) | 660円(税込) | 970円(税込) |
10ギガ | 1,500円(税込) | 1,500円(税込) | 1,400円(税込) | 1,100円(税込) | 1470円(税込) |
15ギガ | 1,800円(税込) | 1,800円(税込) | 1,730円(税込) | 1,430円(税込) | 1,780円(税込) |
20ギガ | 2,000円(税込) | 2,000円(税込) | 1,950円(税込) | 1,650円(税込) | 1,980円(税込) |
30ギガ | 2,700円(税込) | 2,700円(税込) | 2,640円(税込) | 2,340円(税込) | 2,680円(税込) |
40ギガ | 3,300円(税込) | 3,300円(税込) | 3,240円(税込) | 2,940円(税込) | 3,280円(税込) |
50ギガ | 3,900円(税込) | 3,900円(税込) | 3,840円(税込) | 3,540円(税込) | 3,880円(税込) |
また、スマホ本体もセットで安く購入できるため、格安SIMに乗り換えと同時に新規にスマホを購入する場合はお得に格安SIMを導入することができます。
ゲオモバイル
ゲオモバイルは、UQモバイルの代理店となっており、ゲオモバイルが販売する格安SIM自体はUQモバイルと料金プランなどすべて同じになっています。
UQモバイルはauのサブブランドであり、一般的な格安SIMのような通信速度の制限はなく基本的には快適に使用できます。
料金プラン | トクトクプラン | コミコミプラン+ | ミニミニプラン |
基本使用料 | ~1GBまで: 2,277円(税込)/月 1GB超~15GB: 3,465円(税込)/月 | 3,278円(税込)/月 | 2,365円(税込)/月 |
通信容量 | 15GB | 33GB | 4GB |
また、ゲオモバイルだとスマホ本体をセットで安く購入することができます。
よくある質問
格安SIMに関するよくある質問を紹介します。
格安SIMに乗り換えても今の電話番号はそのまま使える?
MNP(モバイルナンバーポータリティー)を利用することで、今利用中の電話番号をそのまま乗り換え後も利用することができます。
格安SIMの通信速度は遅くないの?
格安SIMでは通信が混雑している時間帯(平日の昼、夕方など)に通信速度が遅くなります。
大手キャリアに比べて電波が悪くてつながりにくい?
電波の強さは大手キャリアと同じです。格安SIMの基地局は大手キャリアのものを使用しており、つながりやすさは大手キャリアと同じです。
格安SIMが安い理由は?
自社ですべての設備を持たずにサービスを提供してため安くできています。その代わり、混雑時に通信速度が制限されるといったデメリットもあります。
今使っているスマホが格安SIMで使えない時はどうすれば良いか?
新規にスマホを購入してください。格安SIMで動作確認済みの推奨スマホを選ぶようにしましょう。
まとめ
格安SIMとは何かを知りたい人向けに格安SIMについて紹介しました。
本記事を参考に、格安SIMのメリットとデメリットを考慮したうえで、最適な格安SIMを選ぶ手助けになったなら幸いです。